長崎龍踊

龍踊の基礎知識

 

 唐館絵巻・川原慶賀

<龍踊の歴史>

 龍踊(じゃおどり)は、数千年前中国での雨乞いの儀式として行われていました。龍は玉を追
い求めて乱舞します。玉は太陽,月を表し、龍が玉を飲むことによって、空は暗転し、雨雲を呼
び、雨を降らせると信じられています。日照りに苦しむ、農民の祈りから始まった龍踊は、その
後、お祝いや.祭りの時に行われるようになりました。日本では、長崎の唐人屋敷(1689~ )の
中で、毎年正月十五日(上元の日)に行われていました。享保年間に(1716~ )隣接する本篭
町(もとかごまち)の町民が習って『おくんち』の奉納踊となりました。明治になり、諏訪町(すわ
のまち)に伝わり、最近では筑後町や五島町も参加しています。『おくんち』の花形として全国
的に有名です。  

 

       長崎名勝図絵 

<蛇踊から龍踊へ>

 龍踊(じゃおどり)は、江戸時代から昭和20年代までは、蛇踊と書いてあります。しかし、県外
の人に『じゃおどり』と読んでもらえずに、『へびおどり』と言われて困ったことが何度もあり、どう
したものだろうかとの論議が起こったそうです。学者や郷土史家など関係者が協議した結果、
昭和32年から、くんちのプログラムが龍踊に変わり、昭和39年の無形文化財指定の時に、
漢字は『龍踊』を用いて、ふりがな『じゃおどり』を付けるとすることになり現在に至ります。

 

          長崎古版画  

<龍とは>

 外観は大きな蛇に似ていますが、思想的には雄雌一体の霊獣麒麟だと言われています。そ
して、狼の眼、獅子のたてがみ、馬の耳、鹿の角、鷲の足などが合体した想像上の動物です。
また、竜巻を表すおなかの紅白の模様と、黒雲を表す龍衆(じゃしゅう)の黒の衣装によって、
天に昇ろうとするようすを、あらわしています。

 

          長崎古版画  

<龍踊の内容>

 龍踊の演技には次のような種類があります。①玉追い…体を上下左右に振り、くねらせなが
ら玉を追いかけ、胴くぐりを行う。②ずぐら(玉探し)…とぐろを巻き、胴体の陰に隠れた玉を頭
が上下左右を探す。玉を見つけたら、胴くぐりを行い、玉追いに戻る。以上の基本動作の他に
ねむり、竜巻、波、などがあります。

 

          長崎古版画  

<龍囃子の楽器>

 龍踊の楽器は6種類あり、長喇叭(ながらっぱ)…龍の鳴き声、大太鼓(おおだいこ)…雷の
音、皺鼓・半鼓(かっこ・はんこ:通称パラ)…雨の音、大銅鑼(おおどら)…風の音、大中小の
蓮葉鉦(ばっつお)…風の音を強調する役目、小鐘・小鉦(こがね・こしょう:通称キャン)…中国
情緒を表す音 などで構成されています。上記の楽器を使って、①道行き(スロー)、②打ち込
み(アップ)、③乱打を龍の動きにあわせて演奏します。龍囃子の掛け声は、チャーパとかけま
す。この語源は中国語の招宝(チャウバウ)が変化したもので、龍で宝を招こうとの願いが込
められています。 楽器についてはワンポイントレッスンで詳しく説明しています。

長崎くんち:本踊、川船、龍踊…観客から「モッテコーイ」

毎日新聞 2015年10月07日 11時09分(最終更新 10月07日 13時17分)

大勢の観客が見守る中駆け回る諏訪町の「龍踊」=長崎市の諏訪神社で2015年10月7日、矢頭智剛撮影
大勢の観客が見守る中駆け回る諏訪町の「龍踊」=長崎市の諏訪神社で2015年10月7日、矢頭智剛撮影
 

 江戸時代に始まり約380年の伝統を誇る国指定重要無形民俗文化財の秋季大祭「長崎くんち」が7日朝、長崎市中心部で始まった。同市上西山町の諏訪神社では、市内七つの踊町(おどりちょう)が、熱のこもった演(だ)し物を奉納し、観客からアンコールを意味する「モッテコーイ」の声がかかった。

 市内外から訪れた多くの人が見守る中、あでやかな着物で舞う「本踊(ほんおどり)」や長さ6メートル、重さ3トンの船を豪快に回す「川船」などが奉納された。中でも人気は「龍踊(じゃおどり)」。全長約20メートルの青龍と白龍が金色の玉を追って宙を舞い、拍手が湧いた。

 9日までの期間中、笛や太鼓が鳴り響き、街は祭りムード一色となる。【今手麻衣】

-----------------

arrow
arrow
    全站熱搜

    nicecasio 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()